酒田市 O様宅 外壁塗装工事

夏の風景に調和するダークブラウンの外壁
施工期間
2018/05/30 〜 2018/06/13
施工種別
説明うねる日本海を猛然と吹き抜けた潮風が市街地を過ぎ田園に至り、息切れしてきたかのようにそよ風に変わるとともに、蒸し暑さの中を漂うように若い水田に染み入ります。
遠くでは気の早いセミの声が確かに、けれども遠慮がちに響き、辺りにある水辺のさざ波の音に絡み解けてを繰り返します。
遠くには鳥海山がそびえ、これから平野に降り注ぐ雨雲をせっせとため込んでいる様子がうかがえます。


まさに梅雨時期の酒田を代表するような風景の中にある、O様のお宅の工事を今回の施工事例として紹介いたします。


主要な施工内容は、外壁の塗装でした。


外壁の塗装は、塗料の選定、職人の腕はもちろんのこと、『外壁の状態』の見極めがものをいいます。外壁の状態があまりにも悪いと、塗料や職人の質に関わらず負け戦は必至です。この点、O様宅外壁の状態は、塗装にお金をかける価値がある状態でした。


O様宅の外壁の問題は大きく分けて2つでした。
一つ目は、外壁全体の色あせでした。軽く擦ると、手に白い粉が付着する状態で、既存の塗膜が紫外線や風雨にさらされ劣化したものがこの白い粉の正体です。
二つ目は、凍害による部分的な凸凹でした。
凸凹は、表面からしみ込んだ水が冬場に凍結・融解を繰り返し、内部から外壁材を浮かすことにより発生します。
窯業系サイディングに含まれるセメント材が水を吸収しやすいことが原因です。


これら2点を解決すべく、施工を行っていきます。


まず、塗装前の準備段階として、建物全体に高圧洗浄をかけて、表面の粉を落とします。


次に、既存の素地と上塗り塗料の密着度を高めるための下塗りを行います。
今回は、微弾性サーフェサー『マイルドSDサーフエポプレミアム』を下塗り材として使用しました。
微弾性サーフェサーには表面の傷や凹凸の充填作用があります。
あまりに深い凸凹には意味がないのですが、O様宅では、問題なく素地の調整が可能でした。
またマイルドSDサーフエポプレミアムはシーラーとしての機能も持ち合わせているため、
今回はシーラーの代わりに外壁全体に塗布し、更に凍害による凸凹が目立っている部分に対し局所塗布することで、下塗りと、凸凹の平滑化を同時に行いました。


次に中塗りと上塗りです。
中塗りと上塗りには、2液弱溶剤系シリコン樹脂塗料である『コスモマイルドシリコン』を使用しました。色はO様と事前に調整の上で、外壁材のカタログで気に入った色の物をご指定いただき、それに合わせて調色いたしました。溶剤の臭いをお気になさる方が多いので、水性塗料の使用機会が多くなりましたが、耐久面ではやはり溶剤系の塗料に軍配が上がります。O様は臭いよりも耐久性を重視されるとのことでしたので、2液の弱溶剤系シリコン樹脂塗料を選択し塗装していきました。


塗装が完了し、足場を解体すると、凍害による凸凹、風雨への曝露による色あせが進んでいた外壁は、気高く落ち着いたダークブラウンに化粧直しされていました。
梅雨明けの快晴や、若い田の青さに調和しながらも、存在感を失わない、そんな印象を受けるお宅に生まれ変わりました。


里帰りしていた娘さんが帰る前までに足場を外すことできれば最高だったのですが、
次回の里帰りの際の楽しみとしていただければありがたいです。


O様、この度は外壁塗装のお仕事させていただき、ありがとうございました!