酒田市 S様宅屋根リフォーム

屋根替えの季節
施工期間
2018/03/21 〜 2018/03/31
施工種別
板金施工
塗装施工
説明俳句において、屋根替え(屋根リフォーム)は春の季語とされています。
この場合の屋根は、今ではほぼ目にすることが無い茅葺屋根を指します。
前年の秋に刈りこんだ萱を用いて、冬の雪風でダメージを受けた屋根を葺き替える作業は、当時、春に一般的に見られる光景だったようです。

現代の進化した屋根材の場合でも、屋根または関連の部材へのダメージが大きいのは冬です。
したがって、現代においても、春先は屋根のリフォームや補修を検討するにふさわしい時期と言えます。

今回は、そんな『然るべきタイミング』にて執り行った、酒田市のS様宅の屋根リフォームを施工事例として紹介いたします。

施工前の段階において、S様宅の屋根に生じていた問題は、トタンそのもの、およびトタンの下に敷いてある木部の劣化でした。
木部が腐食すると、釘による固定が緩み、屋根材が風にあおられた際に飛んで行きやすくなります。

これを防止するため、木部の補修から工事が始まりました。

まずは、屋根の軒先や妻を囲むように取り付けられている、淀木と呼ばれる木を真新しい部材に交換します。

淀木交換の後、カバー工法で新たな屋根材を葺きます。
カバー工法を用いることで、既存の屋根材の上に新規の屋根材を重ねて葺く工法のことで、屋根の完全葺き替えの場合に発生する屋根剥ぎ工費と剥いだ屋根の処分費用を節約することができます。
ただし、既存の屋根下地がもろくなっている状態でのカバー工法はお勧めできません。しっかりとした事前調査をしたうえでのみ、援用が許される工法です。

新規の屋根材を葺く前に、アスファルトルーフィングとよばれる下葺き用の材料を取り付けていきます。
カバー工法の場合、この下葺き作業には二つの意味があります。

一つ目は、『防水』です。
金属屋根は材料の継ぎ目がハゼでつなぎ合わされるため、他の材料で葺いた屋根よりも防水能力が格段に高いですが、
もしもの場合に備えてアスファルトルーフィングを下葺きしておけば安心です。

2つ目は、『絶縁』です。
この20年ほどは、金属屋根の材質の過渡期にあたり、トタンから、ガルバリウム鋼板に屋根材の主流が移りつつあります。
既存の屋根がトタンであれば、新規にガルバリウム鋼板を葺いたときに、直接触れ合うと電蝕を起こし、サビの進行がはやくなります。
この化学現象を抑制するため、間にアスファルトルーフィングを敷いて縁を切るのです。

下葺きが終わると、次は屋根材を取り付けます。
S様宅の屋根は瓦棒葺きであったため、瓦棒葺きカバールーフ用に加工された屋根材を取り付けていきます。
瓦棒の間隔は、1尺2寸と1尺5寸が主流のため、これら重ねられるように少し余裕を持たせた寸法の材料でないと正しく納まらないので注意が必要です。

屋根材を取り付けたのち、破風や棟を包んで屋根を仕上げたのちに、雨樋を取り付けます。
雨樋の色は、屋根に合わせたブラックです。

尚、雨樋を取り付ける鼻隠し木部には、キシラデコールを塗装しました。
塗装面は、美観がある程度回復するとともに、防腐・防カビ・防虫性が付与されます。

完成です。

勾配が比較的緩やかな屋根だったため、近くから見ると変化がわかりませんが、遠目から見ると屋根が一新されているのがわかります。

S様、この度は屋根のリフォームさせていただきありがとうございました!