施工期間
2017/05/08 〜 2017/05/31
説明小学生の頃の夏の思い出と言えば、多くの人が体育の時間のプールでの授業を思い浮かべるのではないでしょうか。
庄内の蒸すような暑さで少し温かくなったプールの水。
はしゃぐ同級生の声。
体を洗う時のシャワーの冷たさ。
その一つ一つが大人になった今でも鮮明に思い起こされます。
深緑の松林の中、差し込む日差しを背にグラウンドを元気に走り回る生徒の皆さんの声を聞きつつ、皆さんのプール授業の思い出をより楽しく、より美しくしたい、と思いながら塗装作業を開始しました。
施工は、素地調整から始まりました。
長く水と接し、フクレや劣化が始まっていた既存の塗装皮膜をディスクサンダーで削り取って行きます。
削り残しがあっても新しい塗料がはがれやすくなり、逆に削りすぎても表面が凸凹になり塗料が均等に行き渡らなくなるため、細心の注意を払いながら作業を行い、その後高圧洗浄機で水洗いしました。
次はプライマー塗装です。
仕上げのための上塗り用の塗料と、素地の間にプライマーを塗ることで、上塗り塗料と、素地の密着性を高めるために行います。
今回は、プール素地が塗装により適した状態になるように、プライマーとGフィラーを混合して塗装しました。また、既存のクラックや欠損部分については、耐水パテで補修を行いました。
次は下塗りです。
プールの場合ですと、塗装面が消毒用の薬品が入った水と常態的に接することを前提とする必要があります。
そのため耐水性、耐薬品性に優れているエポキシ樹脂塗料を下塗り塗料として使用しました。
そして、いよいよ上塗りです。
上塗りは塗装面を均一に仕上げるために、2度行います。上塗りに使用した塗料は、アトミックス株式会社さんが発売している『アトムプールペイント』という耐候性、耐水性に優れた無黄変型イソシアネートを使用した二液性のアクリルウレタン塗料です。
最後の仕上げの部分なので、塗装の出来栄えは、耐久性はもちろん、見栄えにも大きく影響を与えます。施工中に塗料が乾ききらない状態で雨が降ると、塗膜表面に飛散模様が残ってしまうので、天気予報を常に確認しながら、塗装の段取りを整えました。
…仕上がりです。
松林の中の校舎のそばにあるプールは化粧直しされ、凛とした青を湛えています。
何十年先も忘れることの思い出を十坂小学校の生徒さんたちが、このプールで作っていってくれますように…。そう願いながら、ハケを納めました。