【酒田市・遊佐町編】自宅の屋根や外壁のサビとうまく付き合う方法

【酒田市・遊佐町編】自宅の屋根や外壁のサビとうまく付き合う方法

地域全体が日本海に面する庄内の中でも、酒田市や遊佐町は海沿いエリアと居住エリアの重なりの比率が高いです。そして当然ながら、住まいをはじめとした建物一般で、鉄部にはサビが発生しやすいです。発生したサビを放置しておくと、どんどんと周りに広がっていき、やがては取り返しのつかない状態になります。そうなる前に、どのような対処をすれば、サビの進行を止めるないしは遅らせることができるのかを解説していきます。

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この記事の目次

酒田市や遊佐町では屋外の金属がサビやすい

屋根や外壁といった建物の外装周りの金属は、メンテナンスをせずに放置すると必ずサビていきます。一般的にサビに対する耐久性が高いと言われている銅やガルバリウム鋼板、そしてステンレスでさえ、サビにくいというだけであって、それなりにサビます。
ましてやそれが酒田市や遊佐町のような潮風に晒されやすい地域であれば、なおのことサビは発生しやすく、その進行スピードもまた内陸の地域とは比べものにならないくらい早いと言えます。

塩害の範囲は海岸線から最大7km

海から近い地域で、潮風により発生する問題を総称して塩害と呼びます(塩害の中には金属のサビつきも含まれています)。塩害が発生しうるとされるエリアは、(諸説ありますが)北海道・東北地方においては、海岸線から7kmまでの範囲だと言われています。仮にこれが本当だとすると、酒田市・遊佐町は大半の区域で、塩害が発生しうると考えられることになります。
上の図は、海岸線から7kmの範囲を酒田市・遊佐町の区域でマッピングしたものです。酒田市・遊佐町の中心市街地は塩害対象エリア内にすっぽりと納まっている事が分かります。
上の図は、海岸線から7kmの範囲を酒田市・遊佐町の区域でマッピングしたものです。酒田市・遊佐町の中心市街地は塩害対象エリア内にすっぽりと納まっている事が分かります。

それでも使われる金属部材

では、建物屋外に金属を使わなければよいのかというと、話はそう単純ではありません。その理由を簡単に説明していきます。

外部に金属を使わない建築はめったにない

金属を外部に使わない建築など、そうそう成立しません。例えば外壁を左官仕上げ(コンクリートやモルタル、タイル)にする場合でも、サッシの枠や庇、屋根と外壁の取合いの見切りや雨樋の支持金具など、金属部材は必ずどこかに仕込まれます。これら部材は、寒冷地用・温暖地用の区分け程度はあっても、沿岸部用・内陸部用に違う材質で作成されることはまずなく、したがって全国ほぼ同一の規格のものが流通しています。それを非金属部材に置き換えようとすると特別生産となり、コストが割に合わないくらい跳ね上がります。

金属製の材料にもメリットがある

金属製の材料は仕方なく使用されている訳ではなく、優れている面があるからこそ選ばれて使用されているという側面もあります。まず、金属材は加工が容易です。特に薄物の金属は建設現場で、その建物の構造に合せて曲げたり、折ったり、切ったりすることができる上に、強度だけを考えればかなり高いと言えます。また、相対的に軽い部類の材料であるため、持ち運びが楽なうえに、建物の構造体にも負担をかけにくいです。つまり、強度と加工性、そして軽量性を兼ね備えている材料であり、重宝されないわけはないのです。

非金属製の材料にもデメリットがある

金属製で無い材料を用いることにより、問題がゼロになるわけではありません。たとえば、金属系サイディングはサビが出る可能性があるから、窯業系のサイディングにするという選択をしたとします。窯業系のサイディングは確かにサビの発生はないですが、今度は凍害の問題が生じます。ご存じのとおり庄内は風が強い地域で、春夏秋にはその強い風に乗った雨が、そして冬にはその強風にあおられた地吹雪が、窯業系サイディングの表面に凸凹を発生させます。他にも、材料ごと様々な要因により、何かしらの問題が潜伏的に発生していると考えて良いと思います。

サビと上手に付き合っていく

建物の外部からの金属材排除は不都合な点が多く、また金属材を使用するメリットが少なからずある以上、酒田市や遊佐町といった庄内の沿岸部エリアに住まう、もしくは物件を所有する場合は、金属材を使いつつサビとうまく付き合っていく必要があります。
とはいえ、具体的に何をどうやれば良いのか分からないという方もいらっしゃると思いますので、ここからはサビとの上手な付き合いかたについて詳しく解説していくことにします。

サビを早期に発見する

サビは金属表層の原子が、空気中の酸素、水分、塩分などと化学反応を起こし発生する腐食物です。金属そのものが変質し、かつその変質は巻き戻しが効きません。また、サビはそれ自体が更なるサビを呼びます。サビが発生した部分の周りはじわじわとサビが進んでいきますし、サビのかけらが風で飛ばされ錆びていない他の金属部に付着すれば、そこに錆が転移し周囲を侵食していきます。そのため、サビの発生を防ぐことも大事ですが、『発生してしまった際にすぐに発見すること』が同じくらい重要なのです。

サビの種類を見分ける

サビを見つけたら、そのサビがどういう性質のものかを見分ける必要があります。サビにはいくつかの種類があり、その種類によってサビの進行度や対応方法が判別できるからです。少し詳しく見ていきましょう。
・白サビ

金属の種類によって原因が違うので全てがそうとは言えませんが、白サビは基本的にメッキ部分の腐食だと考えて差し支えないと思います。メッキに含まれる亜鉛が酸化して白化したもので、ガルバリウム鋼板や亜鉛メッキ鋼板(いわゆるトタン)に発生するサビの初期症状と言えます。白サビはメッキが鉄部本体を守る役目を果たしている真っ最中であることを示しているため、状況としてはそこまで悪くないです。しかし、白サビをほおっておくと、次に紹介する『赤サビ』が発生し始めるので、そうなる前に白サビの進行を止める処置を行っておきたいところです。
白サビの画像
白サビの画像
・赤サビ

白サビをほおっておくと、次に発生するのが赤サビです。赤サビは鉄そのものの腐食であるため、発生イコール部材の強度が低下していると思っていただいてよいです。赤サビが少しでも発生している段階になってしまったら、出来るだけ早くなんらかの処置を施す必要があるため、今すぐ着の身着のまま建築板金業者か建築塗装業者に駆け込んでください。なお、赤サビが発生しても放置を決め込んだ場合、薄い板状の部材であれば穴が開き、厚い部材であればこぶサビが発生します。そうなってしまうと見てくれが悪いだけではなく、部材そのものを交換するか、補強しない限り、本来その金属部材に求められている役割が果たせなくなり、建物全体に対する悪影響がどんどんと大きくなっていきます。
赤サビの画像
赤サビの画像

サビに対処する

大前提として、『部分補修』という形でサビへの有効な対処ができる段階は白サビまでです。赤サビ以降のステージになると、穴が開く、形状が崩れるという理由から、サビの除去処理が満足にできなくなるため、そもそも部分補修が出来なかったり、部分補修が出来て一瞬美観が回復したとしても半年を待たずしてまた錆が再発します。だからこそ、サビが白サビであるうちに早期発見して頂きたいのですが、そう上手くいかないのが現実というのも理解していますし、赤サビに対して行うことが出来る処置を示すことがこの記事をお読みいただいている方への誠意だと思っていもいますので、白サビと赤サビそれぞれに対する対処法を少しく詳しく説明していきますね。
・白サビに対処する
既に説明したとおり、白サビのみが出ている段階では、メッキに覆われている鉄に悪影響は出ていません。そのため白サビを除去して、塗装を掛けてやれば良いだけです。白サビを落した部分のメッキは剥れ落ちますが、塗料で表面をコーティングすることでメッキの代わりとするイメージですね。つまるところ、塗装仕事だけで十分に解決でき、さらに言えば少しの面積であれば白サビへの対処はDIYでも出来てしまいます。工程的に言えば、下記のようになります。
①専用のタワシやサンダーで素地調整し白サビを除去する

②サビ止めを塗り金属部と上塗り材の密着度を高める

③色合わせをして上塗りを2回かける
なお、DIYをする場合、出来ればホームセンターで売られている『下塗り不要、1回塗りOK塗料』のような塗料は使用を避けてください。
・赤サビに対処する
赤サビに対して取るべき対応は、下の図のように『赤サビの状況』と『材料の厚み』という2条件によって場合分けできます。
ケース①薄物金属材の表面に赤錆が出ている場合
まず薄物の金属部材の表面にうっすらと赤錆が出ているケースですが、処置後に早い段階でサビが下から浮き出てきてしまう場合が多々あるため、実のところ、一番対応に困る対象だったりします。

サビの再発が早い原因は、本対象の塗装工程のうちのケレン工程、つまりサビの除去工程にあります。薄物の金属材に対して塗装前のサビ落しのため電動工具を用いると、サビて脆くなっているであろうはずの対象部位に穴が開いてしまう恐れがあるため、代わりに専用のタワシのようなもので表面を擦ることでサビを落すのですが、これはサビを完全に落しきる上で不十分です。そして、サビはある程度金属表面に残ってしまうため、塗装を掛けた後でも内部でサビが進行し、そのうち外側に浮き出てきてしまって早期のサビ再発に至ります。

一見してDIYでも対応が可能なようですが、その実プロの塗装職人でも対応に悩まされるという中々にしてやりづらい対象の一つと言えます。

サビの再発を出来るだけ遅らせるための対応策として『錆転換剤』の使用があげられますが、長くなりそうなので別の記事で紹介します。
ケース②厚物金属材の表面に赤サビが出ているケース
どこからを『厚い』金属材とするかは業者の職種によりまちまちですが、ここでは1.5mm以上と考えてください。厚手の鉄板や鉄骨部材などをイメージして頂けるとありがたいです。

赤錆が発生しているのが、この『厚い』材料の表面なのであれば、塗装での対応が最良の対応だと自信を持って言えます。これにはケレン(サビを落して素地を調整する作業)の時に、電動工具が使えるという点が大きく関係しています。電動工具が使用できれば、発生しているサビを削り取って健康な鉄部をむき出しにすることが出来ます。そうして『初期化』された金属材に塗装をかけてしまえば、内部でサビが自然発生し進行することは考えにくいため、以降も長期にわたって美観や機能の維持が期待できる状態に持って行けるという寸法です。
ケース③薄物材に深いサビが発生している場合
薄物の金属材に深いサビが発生している場合、それはおそらく非常に脆くなっています。

当然ながら、電動工具によるケレンは出来ず、かといってそのまま塗装を掛けても、サビが内側から崩れ塗装後の塗膜を持って行ってしまって、徒労に終わる可能性が高いです。つまるところ塗装では対応が難しいのです。

されど、現場で事件は起きている訳で、そのままにしておくことはできません。そこで塗装から板金へと工事の内容が変化します。

工事の内容は、対象部位の面積によって変わります。赤サビが発生している面積が少ない場合は『あて板』といって、対象部位に鋼板の切れ端をあてがう処置を行います。『補修した感』が出てしまい見た目的にはお世辞にも良いとは言えませんが、費用的には安く済みます。逆に対象部位の面積が大きい場合は、あて板よりも部材全体をまるっと交換した方が、経済的にも見栄え的にもより良くなります。
ケース④厚物材に深いサビが発生している場合
厚物材に深いサビが発生している場合、言わずもがな塗装では対応が出来ません。

板金工事による補修か、もしくは鉄骨などの構造材の場合、鉄骨工事による補修となってきます。

板金工事による部分的な補修が可能である部材の場合は、費用的にはそう高くなりませんが、構造材の補修工事になると、恐らく読者さんが想像している以上に高額になります。そのため、厚物材に深いサビが発生し、塗装での工事が出来なくなる前に手を打ちたいところですね。

最後に

今回の記事は、酒田市・遊佐町にお住まい、もしくは物件をお持ちの方向けに書いてきましたが、庄内は全体が海沿いにあるため、鶴岡市の温海地区、由良地区、加茂地区あたりに方にも参考にしていただける内容になっていると思います。

ながながと書きましたが、記事全体を箇条書きでまとめると、以下のようになります。
・酒田市、遊佐町は建物にサビが発生しやすい。
・でも、金属部材は有用だからこれからも使い続けられる。
・酒田市、遊佐町ではサビとうまく付き合っていく心構えが必要。
・サビとうまく付き合っていく上で大事なのは、『早期発見』、『適切な分類』、『適切な対処』。

この記事を読んでくれた方が、少しでも参考になったと感じて下さったらうれしいです。

最後になりますが、皆様の庄内ライフに幸あらんことを!