冬の酒田・鶴岡での塗り替え工事って実際どう?

冬の酒田・鶴岡での塗り替え工事って実際どう?

12月、1月、2月あたりの真冬の時期には外壁や屋根の塗り替え工事ってできないの?というお問い合わせが最近多いです。よい機会なので、酒田や鶴岡を含む庄内エリアでの真冬の塗装工事の可否について、データに基づいてお話しようと思います。冬場に屋根や外壁の塗装をお考えの方は是非お読みください。

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この記事の目次

はじめに

酒田や鶴岡の冬は長く、厳しいです。曇天でかつ風の強い日が続き、ともすれば吹雪くこともままあります。そんな中、お客さんから冬場でもなんとか塗装できないの?という問い合わせがあったりして、回答に迷うことが最近多く、この際だから実際のところどうなのか、徹底的に調査してみようと思い筆をとりました。

屋根、外壁の塗装が可能な条件とは?

まず、塗料卸業者が販売するプロ仕様の塗料を使うと仮定して、屋根・外壁など、外部の塗装が成立する条件をある程度明確にしておきたいと思います。ちなみに塗料には『溶剤系』と『水性』という大きな2区分があり、それぞれ特徴が違いますが、ここで言う一般的な塗料は『溶剤系』のものとします。『水性』は寒いと乾きが遅くなり、下手をすると凍るため、そもそも真冬に使用するべきではありません。

規定の気温と湿度の範囲内であること

どの塗料にも、「こういう条件下で使用してね(しないでね)」ということを示した施工条件が設定されています。その中には、気温および湿度についての条件もあり、それらは下記の数値になってる場合がほとんどです。
・5.1℃以上40℃未満で使用可能                
・湿度85%未満で使用可能                
ごく稀に、こういった具体的な気温や湿度に関する条件が明記されていない塗料もあり、塗料業界の闇を感じますが、この気温と湿度を塗装条件として認識しておけばまず間違いはないです。なお、この数値はメーカーの指定する『固い安全ライン』数値であり、仮に気温が0.1℃下回った、湿度が1%上回ったからと言って問題が起きるようなギリギリを攻めたものではないと付き合いのある塗料業者は言っていました。まあそれはそうですよね。
参考:ニューウレタンネクスト(関西ペイント)のカタログに明記された塗装可能湿度および気温条件
参考:ニューウレタンネクスト(関西ペイント)のカタログに明記された塗装可能湿度および気温条件

乾くまで水分に晒されないこと

溶剤系の塗料は水と交じり合わないとはいえ、硬化する前に水分に晒されると流れ落ちたり、塗膜部分のツヤ引け(塗膜のツヤが出ず耐候性がガクンと落ちてしまう)を起こすことがあります。そのため、当然ながら雪や雨が降っていてる場合、水分に晒される部分の塗装はできません。蛇足ですが、雨や雪が避けられる軒天や庇裏等は問題なく塗装ができるため、そういった部分の塗装を後回しにして、雨や雪の日にとっておくという工夫はどこの塗装業者でもしていることだと思います。

風が穏やかであること

風があまりに強いと、基本的に塗装作業が成立しません。当然ながら、具体的な風速まで使用条件として設定している塗料は存在しないため、「風速何mまでは大丈夫」というような線引きがしにくいですが、肌感としては風速8mを目安と考えて良いと思います。風速8mを超えてくると、風で養生が飛ばされたり、ローラーを使用したときに塗料が周囲に飛び散ったりする危険性が伴うため、十分な対策を講じている場合を除いて塗装はしない方が無難です。なお、風にまつわるトラブルや対策については、細かい説明や対応方法など含め、以下の記事にまとめてあります。

鶴岡、酒田の冬場の気候

酒田、鶴岡の冬の気候は山沿い、海沿いなどエリアによってまちまちですが、総合的に見れば似通っているといえます。具体的にどのような気候なのかを、年間を通した湿度、気温、風速といった点から見て行きましょう。

酒田および鶴岡の冬の気温

まずは、下の2つの図をご覧ください。これらは気象庁の公開している気象統計データのうち、2015年から2019年までのものを参照し作成した、月毎の最高気温の5年平均、月毎の5年間の平均気温、そして月毎の最低気温の5年平均を示すグラフです。
気象庁の過去気象データのうち、2015から2019年までの統計をもとに中山板金塗装工業で作成。
気象庁の過去気象データのうち、2015から2019年までの統計をもとに中山板金塗装工業で作成。
気象庁の過去気象データのうち、2015から2019年までの統計をもとに中山板金塗装工業で作成。
気象庁の過去気象データのうち、2015から2019年までの統計をもとに中山板金塗装工業で作成。
12月から翌年の1、2月中の期間を『真冬』と考えた場合、塗装可能閾値である5℃という数値を平均気温、月の最低気温では下回る一方、月の最高気温は上回っていることがわかります。つまり、気温データだけを見れば、酒田、鶴岡において真冬でも一日のうちで塗装ができるタイミングは存在するといえます。

酒田および鶴岡の冬の湿度

次に下の図をご覧ください。これは気象庁の公開している気象統計データのうち、2015年から2019年までのものを参照し作成した、酒田市の月毎の湿度の5年平均のグラフです。気象庁データに鶴岡市の湿度は載っておらず、かつ酒田市の湿度記録に最大湿度の記載がないため、平均湿度のみのグラフとなっています。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
平均湿度のみのため、確実なことは言えませんが、このグラフから推察する限り、12月から翌年1月、2月を『真冬』とした場合には、湿度は高くもなく低くもない数値に収まっています。むしろ、夏場の方が平均湿度が高くなっています。

酒田および鶴岡の冬の降水量

次は降水量を見て行きましょう。気象庁の公開している気象統計データのうち、2015年から2019年までのものを参照し作成した、酒田市および鶴岡市の月毎の降水量の5年平均が下のグラフで示されています。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
酒田市と鶴岡市で比較した場合、月ごとの降水量はほぼ同じに見えます。しいて言えば、鶴岡市の方が冬場に降水量が多く、酒田市の方は夏場に降水量が多いくらいの違いでしょうか。総合的かつ季節ごとに比較すると、降水量は真冬が断トツで多いわけではなく、秋口の台風の時期と真夏である8月にも真冬と同程度に降水していることもわかります。

酒田および鶴岡の冬の風速

最後に、酒田・鶴岡の両市における月毎の風速を見て行きます。下のグラフが、それぞれの市の月毎の風速の2015から2019年までの5年間における平均を示しています。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
気象庁の公開している気象データを参照し、2015年から2019年までの5年間の数値を平均して弊社で作成。
酒田市と鶴岡市を比べてみると、まあ酒田市は風が強い。酒田市の平均風速は、鶴岡市のそれと比べるとおよそ2倍の速さとなっていて、さすが日本海沿いの港町といったところでしょうか。季節毎の風速の傾向としては、両市とも4月から8月にかけて風が穏やかになる傾向が見られます。このことは、どちらかといえば5年平均の最大風速をを見た方がより分かりやすいかもしれません。ただ、真冬とその他の季節で比較した場合には、特に真冬だからといって風速が跳ね上がるというわけでもなさそうでした。

結論として、酒田や鶴岡で真冬の外部塗装は成立しそう

ここまでは『屋根・外壁等の外部塗装が成立する条件』と、『冬場の酒田と鶴岡の気象条件』について記載しました。これらを互いに照合すると、冬場であっても酒田と鶴岡では屋根・外壁などの外部塗装が成立する言えます。もう少し詳しく見て行きましょう。

気温について

先ほど、溶剤系の塗料を用いて外部を塗装する際に求められる気温の目安は『5.1℃以上40℃未満』と説明しましたが、これを酒田・鶴岡の真冬時の気温と照らし合わせてみるとどうでしょう。最低気温については、まず確実に5℃を下回ります。が、日中には気温が上がり、10℃以上になる日もあるようです。したがって、塗装の気温条件を満たすタイミングは、ほかの季節よりも少なくなるものの、確実にあると言えます。

湿度について

塗料メーカーが規定している、塗料使用時の一般的な湿度上限は85%であるという点を先ほど説明しました。これを踏まえて、酒田と鶴岡の真冬の湿度は塗装可能な湿度条件を満たしているのか検証してみましょう。
先程、グラフで酒田の月毎の湿度を紹介しましたが、真冬の湿度は決して高くないです。雪がちらほらと積もっているから湿っている雰囲気はありますが、実際は夏場の方が圧倒的に高く湿潤です。つまり、湿度という観点から相対的に見た場合、夏場よりむしろ真冬の方が塗装に適しているとさえ言えます。

降水量について

冬場の降水量については、酒田市と鶴岡市で若干違いがあります。鶴岡市は真冬である12月が一年間で最も多く、その量は酒田市で年間降水量最多月である8月を少し超えています。つまり、鶴岡市では、こと降水量だけに限って言えば、確かに塗装の条件が年間で一番悪くなります。しかし、酒田市では8月の降水量が最多で、かつその時期の塗装業者は忙しいことを考えると、この鶴岡市の12月の降水量でさえ塗装工事の進捗に大きな影響を及ぼす要素たりえないように思えます。

風速について

風速については、筆者の肌感という曖昧な根拠ではありますが、風速8m/sを超えてくると、塗装が難しくなってくるということを先に述べました。これを踏まえると、鶴岡市も酒田市も真冬の塗装は問題ないように思えます。ただし、酒田市は平均の風速が年間を通して3m/sから5m/sほどもあるため、真冬というより常時風速の上振れに目配りする必要があるようには思いました。

最後に

実際のところ、冬場に塗装が可能だからと言って、冬場の塗装にこだわるべきではないと思います。とりわけ気温条件という観点から考えるに、塗装が可能なタイミングが他の季節よりも少なくなるため、工期が長引いてしまうというデメリット等があり、塗装工事を最短でやってしまいたいというお客さんにはあまりお勧めはできないです。
ただ、冬場の塗装には冬場の塗装のメリットがあります。それは、業者が値引き交渉に応じてくれやすいということです。冬は全くもって塗装が不可能という固定観念があるので、冬場の塗装業者は仕事が少ないです。もちろんチラホラと仕事はありますが、塗装ができる条件の日であっても行く現場が無い場合もあり、そういう時は他の業種を手伝うか、倉庫を掃除するしかありません。ですが、塗装業者としては塗装の仕事でお金を稼ぎたいので、冬場に塗装工事依頼のお声がかかるのはうれしいものです。そしてうれしいからこそ、値引きの交渉にも快く応じる場合が多いです。
こうしてみると、お客さんによっては、冬の外部塗装工事というのもそれなりに悪くはない選択のようにも思えますね。